2011/09/23 名古屋宗次ホール

●名古屋:宗次ホール

2011年9月23日(金・秋分の日)
スイーツタイムコンサート 13:00開場 13:30開演

詳細>>HP

※曲目変更のお知らせ:
当日はバルトーク、リスト、レーガーの左手作品と、近藤浩平:海辺の祈り、海辺の雪、他を入れたプログラムになります。



演奏後記

今回で3回目となる宗次ホールの公演でした。

コンサートの2日前に、台風の影響から名古屋で100万人以上に避難勧告がでるという非常事態がおきました。母方の実家が名古屋であり、伊勢湾台風の話を昔から聞かされていたのですが、今回の台風では、その話が頭をよぎりました。

幸いな事にコンサート当日は天候に恵まれ清々しい秋晴れの一日でした。
名古屋に演奏を通して戻れる事は、とても嬉しいです。

去年のコンサートから一年が過ぎた事になります。その間にも「左手のアーカイブ」が少しずつ形になり、10月には第4作目のCD完成予定など、演奏家としての方向も徐々に定まってきているような気がします。

この一年の間と言えば、一番大きな事は3月に起きた大震災でしょう。価値観を根底から覆される衝撃が世界に走りました。私たち音楽家の間でも、今までのような姿勢で社会と接していて良いのだろうかと悩む者が多くいます。いろいろと考えさせられます。

今回はこのコンサートから2曲ほど演奏を一般公開させていただきます(近藤浩平さんの作品)。震災に関連した楽曲ですが、この日本的な無の美しさをもつ音楽は、心奪われるような魅力を持っています。繊細なタッチと重厚な音を持ち合わせるスタインウェイのピアノ、音が美しく伸びるホール、響きにゆったりと身を委ね、演奏会の事を思い出していただければ幸いです。

今後とも応援のほど宜しくお願いいたします。

智内威雄(2011年9月23日)

会場の声

●娘がピアノを勉強しているのですが、部活動中に右手薬指を骨折し、しばらく右手でピアノの練習ができなくなりました。発表会を前に左手だけで弾ける曲はないかとYouTubeなどの動画サイトで色々探していました。そんな時、智内さんが演奏するカールライネッケの「左手のためのピアノソナタ」を拝聴しました。その出会いは衝撃的で本当にびっくりし、とても気に入りました。娘もとても気に入り、10月の発表会ではこのソナタの2楽章を弾くことにしました。左手だけで弾く練習は、娘にとっては苦労することも多く、なかなか大変そうです。しかし、すてきな曲になるように日々励んでいます。今日は娘も連れて、とても楽しみにコンサートに来ました。またコンサートを開かれるときは是非左手のためのソナタを演奏してください!どの演奏もとても素敵でひきこまれました。特に娘2人と私が一致して気に入ったのは、スクリャービンの夜想曲でした。ありがとうございました!!40代女性

●とても精神性の高い音楽を聴かせていただきました。音楽は人ですね。心が深く引き込まれたコンサートでした。またの機会を楽しみにしております。30代女性

●6月の演奏会で初めて聴かせて頂きました。音色の豊かさ、広がりを感じ、とてもきれいでした。同じ病を持つピアニストとしてとても共感を覚えました。前回は音楽教室大のホールでしたので、失礼に聞こえるかも知れませんが、それ程響きの豊かさを感じることができませんでしたが、本日のホールは違和感なく、演奏に聴き入る事が出来ました。今日来て良かったです。ありがとうございます。レーガーの「フーガ」はどのようにしたらあの表現ができるのでしょうか?pp(ppp)の響きがとてもきれいでした。「スクリャービン」・・・力強さと繊細さが感じられてとても良かった。右手だけの曲もありますか?50代女性

●すばらしい演奏をありがとうございました。映画「黒いオルフェ」を聞いて青春時代を思い出しました。50代

●宮沢賢治のセロ弾きのゴーシュのお話に出てくるセロの中に入れてもらってゴーシュに演奏してもらい、出てきてみたら病気が治っていた小動物のような気持ちです。智内さんの性格?!が垣間見えるような演奏でした。大胆で男らしい方でしょうか?もう少し細やかで優しいのが個人的には好みですわ。でも力強くてよかったです♪左手のみを使った演奏をなさる事、苦しみを乗り越えて前進して来られた事、私と同じ年・・・ということで興味を持ち、滅多にコンサートに足を運ぶことのない私がのこのこと出向いて参りました。そんなことを語るよりも演奏を聞いて!とお思いかもしれないのですが、私はそういう内面の変わりゆく様、心の力が発揮されて現在に至ったお話を是非聞いてみたいです。来させて頂いてとても良かったです。智内さんが元気でイキイキ、サバサバと活躍されている姿に刺激を受けました。私も元気でイキイキ、サバサバと生きたくなりました。ありがとうございました。益々活躍なさって下さいませ。30代女性

●いつも大変素晴らしい演奏に感激致します。心を洗われるような、魂の浄化されるようなピアノの音、どうするとあの音が出るのでしょう。全くの趣味でピアノを楽しんでいますが、音とは多ければにぎやかというものでもなく、一音の響きが大切なことを学びます。ピアノを弾いておられるというより、ピアノと一体となり、また、思いがそのまま指先からピアノを通して音となり、聴く者に伝わる感じです。ほんとうにほんとうに素晴らしいです。精神生活も音となって現れるのかも知れません。ピアノの練習と共に心も美しく心掛けたいと思います。60代女性

●近藤浩平による2曲。3.11の情景が目に浮かびました。ピアノの余韻がお寺の鐘のような響きに聞こえ、祈りの声を発しているようでした。今日は2階で聞かせていただきました。低音がよく響き、力強さを感じました。暗い中で響きました。70代女性

●正しく弾くということは論外の事として、演奏家それぞれに個性が感じられ、おもしろく思います。貴殿の演奏は一つ一つ音が秀出て踊り出す趣きがあります。Balletではなく、歌舞伎の例えば娘道成寺で女形が乱舞するような。次の宗次ホールでの演奏会を楽しみにしております。60代男性

●素晴しい演奏を聴かせて頂き、どうも有難うございました。ここ迄の御苦労と苦悩を思いながら、一音一音に耳を傾けて居りました。どうぞ今後も御身体を大切に一層の御活躍をお祈り申し上げます。60代女性

●スバラシイ!!私右半身付随ですが、リハを頑張り、真多呂人形を教えています。あなたからパワーをもらったわ!これからもどうぞガンバッテ、スバラシイ人生を!!

●色の彩がとってもくっきりと、そして絡み合った音でした。とても片手だけとは思えなく感動しました。

●全ての曲が良かったです。目をつぶって余韻に浸りながら、時々、目を開けて本当に左手だけかしらと見ていました。60代女性

●左手だけの演奏とはとても思えない程すばらしい演奏でした。海辺の祈り、海辺の雪は感動しました。60代男性

●どの曲も左手だけで弾いているとは思えないほど迫力があってすごいと思いました。スクリャービンの曲とアンコールの曲がとても良かったです。

●私は絵を描きます。今日初めてレーガーの曲を聴きましたが、眼を閉じているとピアノの曲に乗って、次々と様々なエスキースが頭の中に浮かんできました。力強く、又、楽しく、穏やかにと眼の前で見ている様になるので不思議です。50代女性

●初めて演奏聴かせていただきました。片手だけで弾いているとは思えないすばらしい演奏でした。音の厚みや色彩感豊かな演奏に引き込まれ圧倒されました。左手だけでピアノを練習している友人と一緒に聴きに来ましたが、とても励ましをいただきました。女性

会場の音



Music “Snow on the Seashore: In memoriam of the victims of the earthquake and the tsunami” [Op.122]
Composed by Kohei KONDO. [http://koheikondo.com]
Music “Prayer on the Seashore: In memoriam of the victims of the earthquake and the nuclear reactors” [Op.121]
Composed by Kohei KONDO. [http://koheikondo.com]

2011/06/09 福島県福島テルサFTホール

●福島県:福島テルサFTホールHP
2011年6月9日(木)19時開演 福島県福島市連


今日は、おやこ劇場にエントリーして初めての依頼公演となりました。それが福島であった事に感謝しています。そして今回が、震災復興の特別なイベントではなく、以前から組まれていた通常のコンサートとして皆様にお会いできた事も嬉しかったです。

以前から、舞台を鑑賞し親子で語り合うきっかけを作るという素晴らしい活動をされていたと思います。今回が震災後初めての集まりであったとも聞いています。大変な苦労を乗り越えながら、こうして例会を再会されたのではないでしょうか。皆様の想いが詰まった会に、演奏を通して参加させていただき光栄です。今回をきっかけに、おやこ劇場・舞台でも様々なチャレンジをしていきたく思います。またいつかお会い出来る日を楽しみにしています。

智内威雄(2011年6月9日)


【会場の声】2011/06/09福島テルサFTホール(福島市子ども劇場連絡会)

---以下、子どもたちからの声

●すごいいやされました。またききたいです。小4

●左の手で弾けるのがすごかったです。

●すごかったです。16歳

●右手が動かなくなって、精神的に落ち込んだと思うけれど、よくたちなおれたなぁーと驚いた。中3

●すばらしかった。中3

●本当に素晴しい演奏をありがとうございました。18歳

●左手の動きがすごかった。中3

●目をとじて聴いていると、左手だけで弾いていると思えなかった。中1

●左手の楽曲があるというという事自体を知りませんでした。私は右利きなので、細かい演奏や力強い音などすごいと思いました。寝てしまったらどうしようかと思いましたが、聴き入ってしまいました。あっという間の1時間でした。

---以下、大人の方からの声

●今回の例会で初めて左手だけで弾くピアノを聴きました。左手だけというので制限があると思っていました。しかし実際には音も多彩で目を閉じていると片手で弾いているとは思えませんでした。迫力もあって聴き終えた後は何とも言えないスカッとした爽快感がありました。

●演奏を聴いて最初に感じたものは「宇宙」でした。指と鍵盤の間で一つ一つの音が無限に広がり、何とも言えない空間を作り出しているような感じがしました。丁寧な音の作り方と大胆で思い切りのよい演奏に思わず引き込まれてしまいました。本当にとてもステキなコンサートでした。病気が原因で左手だけで演奏されるまでには、多くの苦悩もおありだったのではないかとか、どのようにして乗り越えられたのかなと想像しました。私は、震災を通して、また自分なりにピアノを弾いてみようと思い、最近久しぶりに自分のために楽譜を買い求めました。そのようなこともあり、コンサートを楽しみに出かけて行きました。コンサート後、CDにサインをいただきながら、パワーをいただきたくて、「左手で握手をしてください」とお願いしました。そして、握手をしてくださりながら「ピアノを弾くことは楽しいですね、楽しいでしょう。」と仰ってくださった言葉が力強く、とても印象的で、大きな勇気をいただいた思いがしました。ピアノという媒体と、楽曲と演奏者の内面が織り成す音楽の世界のすばらしさを感じさせていただいたコンサートでした。ありがとうございました。

●鍵盤をなでると素晴しい音があふれるというイメージでした。人柄も素敵そうな智内さんでした。がんばってね。

●スクリーンに映し出された左手のなめらかな動きに目がくぎつけでした。また、そこから奏でられる一曲、一曲がす~っと心にまっすぐ入ってきて、とても心地よかったです。左手だけでメロディと伴奏の両方を弾いていたわけですが、聴いていて違和感なく表現のすばらしさ、技術の高さを観て、聴いて、触れることができました。一曲の長さも長すぎず、いろいろな曲を聴かせてもらえて良かったです。

●小学校6年生の息子と参加させて頂きました。片手で弾いているとは思えないとてもダイナミックな演奏に感動しました。

●左手の楽曲が100年もの歴史があることや、智内さんの活動(広める活動)など、初めて知ることができた。演奏及びトークから智内さんの素敵な人柄がにじみ出てて、出会えたことに感謝です。プロジェクターで見ることにより左手だけで弾くことのすごさを感じると共に、反面、目で見ていると左手としての音としか感じないが目をつぶることで両手で弾いているように感じられ、イメージの世界もふくらみ視覚から入ってくる感覚を実感した。

●初めて高学年例会を体験しました。低学年例会とはまたひとあじ違った大人の雰囲気でとても贅沢なひとときでした。左手のみで右手の領域まで奏でられるなんて想像していませんでした!目をつぶって聴いたら両手で演奏しているのではと思いました。最初から最後まで音色はもちろん、スライドに映った指の動きに目が離せませんでした。皆さんに感動と夢と勇気を与えてらっしゃって素晴しい方だなと感じました。

●ピアノの音があんなに響くなんて驚いた。音が強すぎた感じがする。もっとやさしい音色も聞きたかった。右手があそこまで回復するには、かなり努力しているからだと思った。

●1曲ずつがわりと短く、途中、休憩もあったので、のり入れ初の4年生にとってもあきる事なく、聴く事ができて良かったと思う。小4の娘は「すてきで、心に響いた~!!」と言っていました。シンプルなので、とてもストレートに心に響いて癒されました。障がいは個性になる!という言葉がとても心に残りました。お人柄が演奏に表現されているようでした。

●音色がとても新鮮で流れるような感じでした。高学年は初めて参加しましたが、始まりもすぐ入り、さすが高学年と思いました。

●予想を超える迫力でした。左手の(指の)動きがすごかった。両手の何倍もの努力をしていることが伺える演奏でした。左手だけ(片手だけ)の演奏に100年もの歴史があると聞いてびっくり。様々な工夫と曲作りへの想いがあることもはじめて分かりました。劇場の例会ならではのすばらしい出会いでした。