2008/01/17 芦屋ルナホール

芦屋ルナホール
芦屋市立山手中学校芸術鑑賞
2008/01/17(木)午後2:00開演
「1・17追悼メモリアルコンサート ~命~」



山手中学校の皆さまへ。

皆様にコンサートでお会い出来、嬉しかったです。ご父兄の皆様もご来場頂きありがとうございました。僕は中学生の時に音楽でショックを受けた事がありま す。それは音楽室にクラシック歌手がゲストで来てシューベルト作曲の「魔王」を僕達の前で歌った時の事です。その驚きは今でも鮮明に思い出されます。もち ろん事前に音楽授業などで、その曲を聞き勉強していたのですが、実際に近くで聞く音には何か目に見えない驚きを感じました。何か気配を感じるような。そう いった第六感に直接響いてくる表現であったように思えます。今から数十年前、自然に囲まれた遊び場が沢山あった時代には、森の木陰に入るときであったり、 茂みに入るときであったりと何か気配を感じるような感覚、その「何か」が日常に溢れていたはずです。「何か」を感じとる事は、社会で直ぐに役に立つ事では ないのですが、人が人を感じるうえではとても重要な感覚であるように思えます。音楽というのは、元々そういった第六感に直接訴えることが出来る芸術分野で もあります。そういった経験をする事が少なくなってしまった現代に、音を通して皆様に「何か」を感じて頂ける演奏ができたらと思います。
これからも山手中学校の生徒の皆様のご成長を楽しみにしています。

2008年1月19日 智内威雄



山手中学校の皆さまへ。

13年前のこの日に起こった震災の日、1/17に智内威雄さんのコンサートを開催していただきありがとうございました。しかも、亡くなった息子、貴光も生前このルナホールへ足を運び将来の夢への足掛かりとなる講演会を聴講したそうで、私はルナホールに対して特別な想いを抱いていました。そんな大切なホールで、すてきなコンサートへ参加させていただき、素晴らしい思い出となりました。智内威雄さんの演奏と、私のメッセージに心を傾けてくださった皆さま方に心から感謝申し上げます。芸術を愛し楽しむことは、豊かな心を育むでしょう。山手中学校の生徒の皆さま方がこのコンサートに心を傾けて聴いてくださってる様子が今でもくっきりと蘇り感動のひとときを忘れることができません。生徒の皆さま方、ご父兄の皆さま方、そして、校長先生はじめ関係者の方々に心から感謝申し上げます。皆さま方の心をいただいたことは、険しい道を生きる支えとなります。ありがとうございました。

2008年1月23日 加藤りつこ




会場の声(アンケートより)

●智内さんの左手の演奏を聴いて、左手だけで弾いているとは思えない迫力のある演奏でびっくりしました。僕はピアノの知識など全然持っていませんが、智内さんの演奏には身にしみる思いや感情がありました。テレビなどでお見かけすることがあれば聴いてみたいと思います。でも1月17日に生の演奏を聴けたことを光栄に思います。

●私はピアノを習っていますが、左手だとあまり強い音が出ません。なのに智内さんは左手がとても力強く、ホールの上のほうで聴いていた私にもはっきりと聴こえました。目を閉じて聴いていると両手で弾いているように聴こえました。智内さんの演奏には人に勇気を与えるようだったので感動しました。

●曲から色々なイメージが伝わってきて鳥肌が立ったところが沢山ありました。

●智内さんの演奏は、悲しいところは悲しい感じで聴こえました。僕は最後まで真剣に聴きました。

●本当は、はじめに左手だけの演奏と聞いて、失礼ですが、あまりすごくないんじゃないかなと思っていました。でも、実際は僕の想像をはるかに超えていました。前のスクリーンを見ると手の移動がすごく速いのが分かります。演奏された曲の意味みたいなものがすごく伝わってきました。

●智内さんのピアノの音は、ピアノではないと思うぐらい本当に素敵な音でした。手は踊っているようでした。その音と手は心と魂が入っているようで姿とともに深く心に刻まれた気がします。そして生きているというぬくもりを感じました。

●智内さんの演奏は本当にすごかったです。私はピアノをやっています。「もしも右手が動かなくなったら」と思うと怖くなります。でも今日、左手でも人の心を動かせる音楽ができるということを実感しました。一音一音心のこもった音でした。なんだか暖かかったです。

●僕はピアノを弾くことは出来ません。コンサートにも行ったことがありません。妹がピアノを習っていますがそれに興味を持ったこともありません。なのに智内さんの演奏を聴いてびっくりしました。「ピアノはこんな音が出るのか!」とか「こんなスピードで手が動くのか!」など、初めて知ったことが沢山ありました。「別れの曲」は知っていました。でもこんな「別れの曲」は初めてでした。正直、僕はCDで聴いたことがある「別れの曲」より智内さんが左手だけで弾く「別れの曲」のほうが好きだなあと思いました。なんでか良く分かりませんが、良い曲だなあと心から思いました。今でも頭から離れません。

●私が聴いたことのある曲が1曲ありました!智内さんが弾く曲はとてもきれいで、体がとても温まる感じがしました。心地良くなりました。

●私はピアノを習ったことがあるので、聞いた事がある曲もありました。聞き始めたときは「きれいだなあ」と思っただけだったけど、「別れの曲」を聴いたときはジーンとなりました。またピアノを習いたくなりました。

●自分でなんでか分からないけれど、涙が出てきました。どう言っていいか分かりませんが、心にまで届く音を初めて聞きました。

●ぼくはこのコンサートを通して、同じ曲でも演奏者の弾き方や気持ちで、また異なった印象を受けるのだと知りました。ピアニストは曲の中に隠された作曲者の気持ちを読み取ることと、プラスアルファが必要なのだとも知りました。

●智内さんの演奏は両手で弾いているとしか思えない、それでいて両手でピアノを弾く人がする演奏とは何か違うものを感じました。

●智内さんはとても強い人だと思いました。気持ちがピアノの一音一音で表現されているように聴こえました。「良い演奏を聴くと鳥肌が立つ」と聞いた事がありますが、智内さんの演奏は本素晴らしく、本当に鳥肌が立ちました。私が感じていた音楽の世界よりも、ほんとうはもっと深く広いということが知れてよかったです。

●僕はテレビで智内さんのことは知っていましたが、その時はあまり関心がなく見ていました。でも智内さんの演奏を実際に聴いてすごいと思いました。僕は正直、音楽は嫌いだし、この世になくても良いものだと思っていました。でも智内さんの演奏を聴いて音楽もなかなか良いと思いました。

●智内さんの演奏を聴いて色んなことが分かりました。ひとつは音楽のすごさです。僕はピアノの演奏を聴いてもしかたないと思っていました。でも智内さんの演奏が始まって、僕はいつの間にか演奏をしっかり聴いていました。音楽は興味がない僕でも音楽の世界に入り込めるところがすごいと思いました。

●僕はまず、智内さんのピアノ演奏にはとても心がこもっていると感じました。いつもピアノを聞くだけだと「すごいな」と思うだけなのですが、智内さんの演奏を聴くと、その演奏に合ったたくさんの情景が頭の中に浮かんできました。僕は15年間でこのようなことがあったのは初めてでした。だから智内さんの演奏に心を打たれました。