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    ◆シツモン?◆

    Q.左手の為の楽曲を、両手を使って弾いてよいのですか?

    A.一定のルールを設け、それを一つの分野として独立させ、健常者と障がい者が垣根なくチャレンジできる。そういった理想的な世界が左手の音楽にあると思います。ルールは難しいものではなく、両手の曲を2人、3人で分けて演奏しないのと同じ事だと思います。片手演奏は、決して障がい者の為だけの音楽ではなく、健常者も積極的に挑戦できる質の高さがあります。私はそれらの楽曲の価値を演奏を通して証明していきたく思います。全ての事に言えると思いますが、大前提のような大きなルールを無くしてしまうのは、その存在価値を半減させる事につながります。

    Q.右手が使えなくなったときはどんな気持ちでしたか?

    A.最初の数ヶ月は状況がつかめずに、昔目指した道を辿り進む方法を探していました。しかし時間が経つに連れ、もうもとには戻れないという事に気付き、そして自分が置かれている状況が把握できるようになり、何をするにも不安になりました。その時は「頭のてっぺんから足の先までゼロ」と強い虚脱感を感じるようになりました。そのころは普通に振舞うのが精一杯な状況で、毎日2キロ泳いだり、散歩を多くしたりと、心が折れてしまわないように様々な工夫をしていました。

    Q.なぜ左手の音楽を始めたのですか?

    A.リハビリをしていた頃は音楽を全くしないでひたすら機能回復を目指していました。しかし徐々に日常生活での機能が回復してくると共に、自分のやりたかったことはなんであったかを真正面から考えるようになりました。そして自分の求める響きを追求したいと考えるようになり、その時に左手の音楽の作品達の奥深さに出会ったのが大きなきっかけとなりました。

    Q.左手で弾くのと両手で弾くのって何が違うの?

    A.簡単に言うと弱点が魅力なんです。例えば同時に出せる音が少ない事が上げられます。しかしそれはあくまで技術的な事であり、音楽の質は半分とはなりません。不思議なもので半分になるのは指の数だけで、音楽的には全く違う世界を描き始めます。言葉数が少ない人のセリフの方が心にしみると言う事があると思うのですが、それに似た良さもあります。そして技術的な事を言いますと、両手ではゴチャゴチャになってしまうような主観的な表現でも、両手より指の本数が少ない分、すっきりと響かせることができます。弱点を活かすことで、最大の魅力に変えていく。そのとき弱点は個性になると考えています。

    Q.なんで右手より左手のピアノ音楽の方が多いの?

    A.『砂上の楼閣』という言葉があります。地盤がしっかりしないところにいくら立派な装飾を施した建物を立てても崩れ落ちてしまいます。音楽で言う建物の地盤とは、低音になります。その低音とはピアノでは半分から左側をさします。その地盤を支えるのが得意な左手は高音を弾くことも出来、そのために一つの音楽分野として成り立ちやすいのも理由の一つだと思います。

    Q.左手だけで弾いていて疲れませんか?

    A.片手演奏は手が休むことがないので、一歩間違えると手を壊してしまいます。本来は両手でもそうあるべきなのでしょうが、両手より片手の方が無駄を排除して、真芯で力の伝わりをとらえる必要があります。左手の音楽を始めた時に、念入りに左手の演奏法を研究し直して、左手特有の音楽の特徴、そしてそれを表現するのに必要なコツなどを色々と探し、一般的に言う”脱力”の様な無駄を排除する事に注意を払いました。硬直した右手に行なっていた解剖学的な力を抜く為のリハビリを、左手に移し替える事で弾いていても疲れない様になりました。

    Q.アーカイブ構想ってなんですか?

    A.私は、左手の楽曲に大きな希望を与えられ、心からから音楽の喜びを知りました。そしてその希望を必要とする方に届けられないかと思うようになり「アーカイブ構想」をまとめました。私が左手のピアニストとして歩み始めた02年03年、そして演奏活動を始めた06年07年、周囲の理解も支援する団体・環境もなく随分と苦労をしました。その時の経験を振り返り「アーカイブ構想」を練りました。演奏の目標となる優れた音源・映像作成をしたり、誰もがチャレンジ出来るように楽譜を整備したりと、片手演奏の希望を共有できる環境作りを考えました。そして最終的な目標は、歴史ある左手作品の復刻・普及を目指す構想でもありました。その後「アーカイブ構想」は、2010年に「左手のアーカイブ」プロジェクトへと発展し活動を開始しました。今現在はどなたでも閲覧できる様なサイト作成、音源映像作成、楽譜作成等、ワーキングメンバーと共に、片手演奏を行う者への支援を行いながら成長を続けています。( http://lefthandpianomusic.jp

    Q.障がいを人前で出すことに抵抗はありませんでしたか?

    A.私も左手の楽曲を勉強するまでは抵抗がありました。しかし、リハビリ中に「皆が言うほど私の状況は悲惨なのだろうか?」という疑問が浮かび上がり、考えが徐々に変わっていきました。恐らく障がいだけを見ていても、その人を理解する事は難しいように思えます。逆に自分の障がいだけを見ていては、周りから理解され難いとも思います。しかし障がいというマイナス部分に目を向けるのではなく、音楽そのものの美しさを追求出来るというプラス部分に目を向けたとき、片手であるか両手であるかという垣根が無くなるように思えます。そういった普遍性を求め続けた左手の音楽の強さに惹かれ、自分の等身大でその音を追求する道を選びました。