放送日時: 2013年11月16日(土)午後11:00~午前0:00(60分)
放送局:NHK Eテレ(NHK教育テレビ)
番組名:ETV特集「左手のピアニスト~もうひとつのピアノ・レッスン~」(ドキュメンタリー番組)※題名が「よみがえれ左手のピアノ曲」から変更になりました
ネット:NHKオンデマンド(過去に放送された番組がご覧いただけます。)
20世紀前半に人気を博し、その後、ほとんど顧みられなくなったクラシック音楽の分野がある。「左手だけで演奏するピアノ曲」だ。第1次世界大戦への従軍で右手を失ったピアニスト、パウル・ヴィトゲンシュタインが当時の有名作曲家に依頼するなど数千曲が作られ、独特の低音の重厚さと教会の鐘のような心地よい響きが、観客に感動を与えたと言われる。しかし、両手の華やかなピアノ演奏が全盛となる中、左手の曲の歴史は忘れられようとしていた。それらの名曲を掘り起こし、再び感動を与えたいと奮闘する日本人がいる。左手のピアニスト・智内威雄(ちない・たけお)さんだ。脳が体の一部を制御できなくなる難病「局所性ジストニア」で、右手を思うように動かすことができない。世界中に散逸した当時の楽譜を各国の図書館などで収集。音源などの参考資料がない中、楽譜を頼りに運指から足元のペダルの使い方、鍵盤1つ1つの押さえ方に至るまで独自の模索を続ける。そうしてこれまで、数々の名曲復活に成功。国内各地でコンサートを開き、若手の「左手のピアニスト」育成にも取り組む。左手の演奏を始めて10年となる今年、これまでの集大成として、未発表の難曲に立て続けに取り組み、コンサートで初披露する計画を立てた。左手の曲の豊かな世界を伝え、音楽の1つの分野として確立したいと奮闘する智内さんの挑戦の日々を見つめる。(ETV特集より)