協会に所属されている最前線で活躍される現代作曲家と、一般公募による作曲家が、多くの #左手ピアノ曲 を提供してくださいました。コンサートでは合計10曲の世界初演が行われます。
「こんな世界があったのか!」と驚くような音楽が多く演奏されます。新たな可能性の扉が開かれるような刺激に満ちた演奏会になると思います。世界初演というのは一度限りですので、是非ご参加ください。
彼の楽曲と出会ったのは東日本大震災のすぐ後のことで、左手演奏版の「#海辺の祈り 〜震災と原子炉の犠牲者への追悼〜」の演奏者を探していると友人から頼まれたことがきっかけでした。震災直後という特殊な状況でしたが、その楽曲にはまさに祈りに満ちた強烈なオーラがあり、その世界観を表現することで救われた思いがしました。この楽曲はシンプルでありながらも、その余白に響きを多く含む作りになっており、左手のピアノ演奏との相性がとても良いです。
その後に「#海辺の雪 〜震災と津波の犠牲者への追悼〜」を私から委嘱し、今度は初演まで時間をかけてじっくりと向き合い仕上げていきました。その独特な表現は海辺の祈りと似ていましたが、より一層深みが増しています。初演を行った名古屋宗次ホールでは、弾いているうちに聴衆の気配が徐々に消えていき、最後は私一人が舞台に取り残されていくような不思議な感覚・錯覚がありました。そのような経験は、なかなか無いものです。
「#三段峡と八幡高原 〜安芸の山々~西中国山地〜」 は #左手のピアノ国際コンクール の #作曲部門 を開いた時に委嘱した楽曲です。こちらは近藤浩平さんの世界観の集大成といった楽曲になっています。私の教え子に、この楽曲を演奏して聴かせたところ「ご利益がありそうだ」と目を輝かせ言われたのを思い出します。ピアノ演奏をきかせてご利益を感じさせるなど、他の曲には無い世界観でしょう。近藤さんの左手のピアノ曲には独特な神秘性を持つ曲が多くあります。
オペラシティは素晴らしい環境にあるホールです。近藤浩平さんの小個展の前には、現音作曲新人賞本選会があります。現代を呼吸する神秘的な音楽世界を感じていただければ幸いです。
ワンハンドピアノフェスタは、2013年に東京で開催したのが初回でしたので今年で10年という記念の会となりました。時の流れに驚くとともに、それだけの長さがあったことも皆で振り返りながら感じました。
その10年前から変わらず応援し続けてくださる方も多く、まさに「ファミリー」といった雰囲気が会場にはあります。ここに来ると「帰ってきた」と感じます。会場のそこかしこでも「あー、あの時の!」という何かを懐かしむ会話が聞こえてきました。年月の積み重ねを感じます。
そして今回から新しく演奏参加される方、聴講参加される方も多く、音楽への情熱の輪が広がっていることも再認識しました。 “ワンハンドピアノフェスタ in 東京が終了しました。” の続きを読む