静岡・江崎ホール無事に終えました


2025年3月23日

「ワンハンド・ピアノフェスタ」の開催日程が決定いたしました。今年は、大阪、東京に加え、新たに東北・仙台での開催も加わります!

先月、第3回ウィトゲンシュタイン記念左手のピアノ国際コンクールが盛況のうちに幕を閉じ、参加者の皆様、ご来場の皆様、そして応援してくださった皆様からは、今もなお喜びの言葉が届いています。

東北大会の開催は、東日本大震災からの復興を願い発足した「宝塚からの贈り物実行委員会」様のコンクールへのご支援によるものです。深く感謝申し上げます。

初の試みとなる東北大会では、フェスタと左手のアーカイブコンサートを行い、さらに東北の魅力を感じていただける観光企画もご用意しております。仙台出身の早坂眞子さん(プロ部門第2位受賞)、そして智内威雄によるゲスト演奏も、どうぞお楽しみに。

【開催概要】

♪大阪会場:2025年9月15日(月・祝)箕面市立メイプルホール(大ホール)
左手の国際コンクールでも使用された、素晴らしい音響の大ホールです。
https://minoh-bunka.com/maple/

♪東北会場:2025年9月27日(土)仙台パリンカ(詳細調整中)
天井が高く、YAMAHA CS2の豊かな響きをリラックスして楽しめる空間です。
http://r-palinka.com/

♪東京会場:2025年10月18日(土)両国門天ホール
演奏者と聴衆が一体となる、親密な空間での開催です。
https://www.monten.jp/

いずれの会場も、正午頃から夕方までの開催を予定しております(時間調整中)。
詳細なプログラム、お申込み方法などは、後日改めてご案内いたします。皆様のご参加を心よりお待ちしております。


2025年3月10日

先日、愛媛県西条市にあります、小松公民館2階ホールにて「看取りから芸術へ」と題した講演会をいたしました。
単独講演として、看取りについて語ることは初めての経験であり、大変貴重な機会をいただきました。

ピアニストとして、私たちは常に楽曲という魂に寄り添い、解釈を重ね、耳を傾けながらその可能性を探求しています。
その経験を踏まえ、今回は文化の継承、そしてミドルエイジング世代が担う役割についてお話させていただきました。

講演中には、亡き母が遺した映像作品(青山真也監督)もご紹介しました。そこには、表現を通して魂が受け継がれ、新たな表現が生まれていく様が描かれています。

表現を伝承していくことは、人と人、芸術と人、魂と魂を繋ぐ架け橋のようなものだと感じています。その繋がりを通してコミュニティの個性が育まれ、そして新たな創造が生まれていく素晴らしさについて、皆様と分かち合うことができました。

主催してくださいました西条市在宅医療・介護連携推進事業運営委員会、西条市の皆様、そしてご来場いただいた皆様に心より感謝申し上げます。


2025年3月8日

この度、蕨市の広報誌に作曲ワークの取り組みをご紹介いただきました。ぜひご覧ください。子どもたちの音楽が、蕨の街に新たな息吹をもたらします。
https://www.city.warabi.saitama.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/011/176/202503honsi.pdf

埼玉県蕨市の未来を奏でる、子どもたちの音楽。
「子どもたちの音楽で街を彩ろう」その想いから始まったプロジェクトは、未来の地域の音を創出する活動です。未来を担うのは、他でもない今の子どもたち。子どもたちの音が、蕨市の未来を鮮やかに彩ります。

昨年の夏、蕨市のご協力のもと、子どもたちが自由に作曲を楽しむワークショップを開催いたしました。まるで絵を描くように、子どもたちは思い思いに音を重ねていきます。その音の重なりは、時に芸術家の耳を唸らせる輝きがありました。

私たちは子どもたちの音に耳を傾け、共に音楽を創り上げました。未来の蕨を担う子どもたちが生み出した、未来の蕨の音がここに誕生しました。
子どもたちが創作した楽曲は、3月3日から市内各公立小中学校で、3月10日から17日までは市内各公民館で放送されています。子どもたちの瑞々しい感性から生まれた音楽を、ぜひお聴きください。

【以下 詳細】
◆東小学校 3月3日(月曜日)~4日(火曜日)
◆西小学校 3月6日(木曜日)
◆南小学校 3月3日(月曜日)~7日(金曜日)
◆北小学校 3月3日(月曜日)~7日(金曜日)
◆中央小学校 3月3日(月曜日)~7日(金曜日)
◆中央東小学校 3月3日(月曜日)~7日(金曜日)
◆塚越小学校 3月3日(月曜日)~7日(金曜日)
◆第二中学校 3月3日(月曜日)~19日(水曜日)上記期間の間で7日間
◆東中学校 3月3日(月曜日)~13日(木曜日)上記期間の間で1日間
◆※第一中学校は、任意のタイミングで放送。
◆中央公民館 3月10日(月曜日)~17日(月曜日)
◆東公民館 3月10日(月曜日)~17日(月曜日)※15日(土曜日)、16日(日曜日)は除く
◆西公民館 3月10日(月曜日)~17日(月曜日) ※15日(土曜日)、16日(日曜日)は除く
◆南公民館 3月10日(月曜日)~17日(月曜日) ※15日(土曜日)、16日(日曜日)は除く
◆北町公民館 3月10日(月曜日)~17日(月曜日)
◆下蕨公民館 3月10日(月曜日)~17日(月曜日) ※15日(土曜日)、16日(日曜日)は除く
◆旭町公民館 3月10日(月曜日)~17日(月曜日)


2025年3月4日

さきほど、NHKラジオ長寿番組の「ひるのいこい」をお聴きのリスナーの方から、心温まるご連絡をいただきました。

3月1日の放送のお便りのコーナーで、どなたかが左手のピアノ国際コンクールの感想をお寄せくださったとのことです。

古関裕而さんの音楽が流れる情緒豊かな番組。私も気になり「らじるらじる」で探して拝聴しました。

番組へ投稿してくださるほど、コンクールが印象に残ったことを知り、大変嬉しく思います。

次回のコンクールに向け、これから準備が始まります。どのような大会になるか今から楽しみです。

https://www.nhk.or.jp/radioondemand/share/15_97.html?p=P1LK3137Z2_01_4165415

#NHKラジオ #ひるのいこい #左手のピアノ国際コンクール


2025年3月2日

来る3月3日、#今治明徳短期大学 にて講演をさせていただきます。

今治総合芸能祭にて文化の継承について少しお話させていただきましたが、今回は私自身の活動を題材に掘り下げたお話と演奏をさせていただきます。

文化は時代と共に変化するものですが、その土地固有の文化を育むこともまた大切な営みだと考えております。先人たちが築き上げてきた文化を次世代へと繋ぐこと、その意義についても触れられればと思っております。

今回の講演が、皆様にとって文化について考えるきっかけとなり、そして日々の生活の中で、音楽を通して安らぎを感じていただく一助となれば幸いです。

当日は一般の方もご入場いただけます。お近くの方は、ぜひお気軽にお越しください。

皆様との出会いえお楽しみにしております。


2025年2月28日

「第18回今治総合芸能祭」出演のお知らせ。3月2日、今治市中央公民館にて開催される、今治市合併20周年記念でもあるイベントに出演いたします。

私にとって今治は、心の原風景とも言える場所です。幼少の頃から島々を巡り、豊かな自然、歴史、文化に触れた記憶は、今も私の心を支える大切な風景として息づいています。

今回の舞台では、今治への感謝と敬意を込めて演奏させていただきます。この地で音楽への想いを皆様と共有できれば幸いです。

お近くの方は、ぜひ足をお運びください。

日時:2025年3月2日(日)13:00~16:30(12:15開場)
場所:今治市中央公民館
詳細:https://www.city.imabari.ehime.jp/event/?a=263


2025年2月21日

来る2月24日、愛媛県西条市にて演奏と講演会を催します。
2年前、松山での講演(第44回日本死の臨床研究会年次大会)を機に、表現とは何か、それがどのように伝わり、なぜ必要とされるのか、その考察を深めてまいりました。今回は、看取から芸術へ を主題に、資料と演奏を織り交ぜながら、その思索の一端をお伝えしたいと考えております。
お近くの方は、ぜひ足をお運びください。
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◆申込先:(電話)西条市役所 介護保険課 
TEL:0897-52-1412(直通)
(申込フォーム)https://logoform.jp/f/dN5co
※講演会チラシの二次元コードからも申込みできます。


2025年2月11日

第3回 
 
ウィトゲンシュタイン記念左手のピアノ国際コンクールは、おかげさまで盛況のうちに幕を閉じることができました。

ご来場いただいた皆様、そして陰ながら応援してくださった皆様に、心より感謝申し上げます。

演奏者たちの情熱と、皆様の温かい想いが共鳴し、素晴らしい会となりました。何よりも、音楽を通して様々な交流が生まれ、言葉では言い尽くせない豊かな時間を皆様と分かち合えたことを、心より嬉しく思います。
http://lefthandpianocompetition.com/frontpage/post-1410/
(さらに…)


2025年2月5日

大阪伊丹空港行きの飛行機に乗り込む。
昨日までは、学生たちの試験演奏を聴く日々。多くの学びがある。未完の技だからこそ、それぞれの試行錯誤が手に取るようにわかる。
完成された演奏にはない剥き出しの情熱。そこから生まれる創意工夫の数々。彼女たちの「必殺技」を見つけるのは宝探しのような楽しみがある。
そんな感心しきりの日々。いよいよ週末から主催コンクールが始まる!!
もちろん審査も演奏も担当するけれど、ここからは運営側にシフトし、参加者たちの交流をサポートするのが大きな役割となる。
人の出会いほど、楽しく嬉しいものはない。 どんな演奏や物語に出会えるだろうか。未知の扉を開けるような興奮がある。お近くの方は是非!
2/8 2/9 大阪 箕面市メイプルホール!


2025年1月30日

皆さま、こんにちは。明日金曜日は #NHK ラジオ関西「#ラジオワイド」に出演させていただきます。近畿地方にお住まいの方は、ぜひお聴きください。他の地域にお住まいの方も、「らじる★らじる」などで聴取可能なようです。

30分ほど、ゆったりとした時間の流れの中で、様々なお話ができればと思っております。金曜の夕暮れ時、どうぞリラックスしてお付き合いくださいませ。

実はこの番組には、活動を始めたばかりの頃から大変お世話になっており、様々なご縁をいただいた、私にとって大切な番組です。再びこの番組でお話できる機会をいただき、心から感謝しております。

https://www.nhk.or.jp/osaka-blog/radiowide/guest/674492.html

#ラジオ関西 #ラジオワイド #NHKラジオ #智内威雄 #左手のピアニスト #左手のピアノ国際コンクール


2025年1月27日

大学時代からの友人であり、音楽教育の分野で功績を残している藤くん。彼が手掛ける新しい教材の収録に、先日参加させていただきました。久しぶりに顔を合わせ、昔話に花を咲かせた時間は、まるで学生時代に戻ったかのような、懐かしいひと時でした
しかし、話題は単なる思い出話に留まらず、自然と音楽教育の未来へと広がっていきました。教育者としての冷静な視点、そして音楽への変わらぬ情熱。彼の言葉の一つひとつに感銘を受けます。
そして、彼との会話を通して、改めて音楽の力、教育の大切さを再認識することができました。私自身も、普段はなかなか口にすることのない教育への想いを、彼との会話の中で率直に語ることができました。長年の友人だからこそ生まれた、特別な時間だったように思います。
藤くんの教材には、彼の長年の経験と深い知識、そして何よりも音楽への情熱が凝縮されています。音楽教育に関わる方々へ、そして未来を担う子供たちへ。この教材が、新たな学びの扉を開くきっかけとなることを願っています。

2025年1月23日

本日、朝日放送ラジオ「ドッキリ!ハッキリ!三代澤康司です」に生出演させていただきました。
三代澤康司さん、桂南天さん、そしてスタッフの皆様、貴重な機会をいただき、誠にありがとうございました。
左手のピアノ曲の歴史やコンクールへの想いを丁寧にお伝えいただき、大変嬉しく思います。
三代澤さんから「スクリャービンは、すっかり智内さんのものになりましたね」とのお言葉を頂戴し、改めてこの作曲家と向き合ってきた道のりを振り返るひとときとなりました。
南天さんから以前いただいた「弟子を育てるということは、智内さんが新たなステージに飛び立つということ」という言葉は、私の指導者としての在り方を考える上で、重要な指針となっています。
お二人の言葉は、私の音楽活動の支えとなっております。出会いに感謝し、クラシック音楽の魅力をより多くの方々にお伝えできるよう、邁進してまいります。
#朝日放送ラジオ #ABCラジオ
#ドッキリ!ハッキリ!三代澤康司です #ドキハキ
#三代澤康司 #桂南天


2025年1月21日

この度、今治市合併20周年記念式典にて、今治市の教育文化スポーツ功労賞を賜りました。
関係各位の皆様に、心より感謝申し上げます。
私自身、音楽を通して今治の皆様との繋がりを大切にしており、
この度の受賞を励みに、今後とも地域に貢献できれば幸いです。 (さらに…)


2025年1月7日

「左手のピアノ国際コンクール」クラウドファンディングは1月14日(火)23:00まで!
https://readyfor.jp/projects/144612

いよいよ左手のピアノ国際コンクールが間近に迫り、準備も佳境を迎えております。

これまで頂戴いたしました温かいご支援に、心より御礼申し上げます。

皆様からお寄せいただいたご支援は、未来を担う若き音楽家たちが躍動する舞台を創造し、彼らの才能を育むための貴重な資金となります。

事務局一同、参加者の皆様のひたむきな情熱に触れるたびに、その想いに深く共感し、身の引き締まる思いを新たにしております。

この度、大阪大会の本選とガラコンサートのチラシが完成いたしましたので、ご紹介させていただきます。

才能溢れる演奏家たちのパフォーマンス、そして音楽が織りなす豊かさが、皆様に爽やかな感動をお届けできるものと信じております。

今大会も、多くのメディアの注目を集めており、間もなく収録も開始いたします。

参加者一人ひとりの物語、音楽への深い愛情、そして目標へ立ち向かうひたむきな姿は、きっと皆様の心を打つことでしょう。

皆様と、音楽の感動を分かち合える日を心待ちにしております。

若き音楽家たちの夢を育むため、引き続き、温かいご支援を賜りますようお願い申し上げます。


2025年1月1日

 
 
新年あけましておめでとうございます!

皆様、穏やかな新年をお迎えのことと思います。旧年中は大変お世話になり、心より感謝申し上げます。

2024年は、ピアニストとして、本当にたくさんの挑戦をさせていただきました。

日本現代音楽協会と作曲家の皆さまとの協働による数々の新作初演。そして様々な演奏機会や録音の機会に恵まれ、多くの皆さまに支えられ、演奏を通して自己と向き合う貴重な時間を過ごすことができました。

2025年は、新たな境地を目指し、歩みを進めてまいります。

現代の音への探求もこれまで以上に力を注ぎ、すでに書かれた現代作品に目を向け、演奏の幅を広げていきたいと考えております。約30曲を新たに学ぶために楽譜を揃えました。同時に、テクニカルな古典作品にも一つずつ丁寧に、真摯に向き合っていきたいと思っております。

2月には第3回左手のピアノ国際コンクールが開催されます!コンクールを成功させ、左手のピアノ音楽の普及に、クラシック音楽の普及に貢献できればと考えております。また、少しお休みしておりました楽譜事業を再開し、より多くの方々に音楽をお届けできるよう努めてまいります。

そして引き続き地域の子ども達と協力し、作曲を通して街に活気と音楽の喜びを届ける「街を子ども達の音楽で彩ろう」プロジェクトも推進してまいります。そして音楽大学図書館に通い、音楽の研究に集中したいと思っており、そこで得た知識や経験を活かして、地域に貢献できるような活動もしていきたいです。

学生時代に憧憬の念を抱いていた50代のピアニストたちの年齢に、私もまもなく追いつきます。彼らの歩みを参考に、私自身の感性も大切にしながら、より多くの人々にクラシック音楽の奥深さと美しさを伝えていけるよう精進してまいります。

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

#現代音楽 #新作初演 #クラシック音楽 #ピアニスト #智内威雄 #左手のピアニスト #左手のピアノ国際コンクール #楽譜事業 #音楽教育 #地域貢献 #新年のご挨拶 #2025年の抱負


 

左手のピアニスト 智内威雄


活動方針・略歴

“苦難の歴史を乗り越えた芸術を、
開かれた未来のために”


 私にとって左手のピアノ楽曲は、まず新たな分野と出会った驚きであり、そして再びピアノを弾ける喜び、音楽を続けられる喜びでした。私は、音楽が持つ普遍的な芸術の力、その可能性を強く信じさせられました。

 その音楽芸術の力により、障害をもつ個人は勇気を得ることができると気づきました。このような個々の営みの蓄積が、いつか垣根のない社会の実現につながるのではないでしょうか。

 この私の願いは、歴史的な楽曲の再発見を通して養われました。数世紀にわたって書かれてきた左手のためのピアノ楽曲は、戦争などの厳しい状況下でも音楽を心の支えに生きたピアニスト達の歴史が刻まれており、そして優れた楽曲が数多く存在しています。しかしそれらの深い表現力を呼び起こす楽曲の多くは、再演される事無く、散逸した状況が続いていました。

 私は、歴史を再発見し、優れた価値が再び埋もれないようにするための努力が必要であると考えました。そして現代においては、片手のための音楽の価値を高め、人々と分かち合えるようにするための教育と普及の必要性をも感じました。

 そのために「左手のアーカイブ」プロジェクトと「ワンハンドピアノレッスン」というふたつの環境づくりの活動に取り組んでいます。

 皆様のご支援を心よりお願い申し上げます。


左手のピアニスト・智内威雄(ちないたけお)

公式Facebook https://www.facebook.com/pianisttchinai

  

音楽活動について

Mission

 片手によるピアノ演奏を通して、音楽の喜びを次世代に伝えます。

Vision

 未来のピアニストの礎となる演奏を発信します。そして音楽の喜びを分かち合える発展的な環境を作ります。

Value

 忘れ去られてしまった音楽分野の再発見と復興が行われます。その独創的な表現により、多くの者に器楽を演奏する新たな喜びを与えられます。それらを普及させる環境作りを行うことで、より多くの者が垣根の無い音楽・楽器演奏の魅力を体験できます。

 

「左手のアーカイブ」プロジェクト(LHPM)

 
 「左手のアーカイブ」プロジェクトは、2010年、現在も左手のみによる演奏活動を続ける「左手のピアニスト」智内威雄が中心となり発足しました。
 その目的は、左手のためのピアノ作品という忘れ去られてしまった貴重な音楽作品の発掘・復興と、左手を主とする片手演奏の認知向上と普及振興にあります。
 以下の2点を主要な活動として位置づけています。

1)埋もれてしまった歴史的名曲の録音・映像の作品化
2)中級・上級者のための新曲・編曲など、委嘱作品を含む楽曲楽譜の作成


 1)において、演奏されなくなってしまった左手の楽曲を、智内威雄の演奏を中心として収録し、一般に入手しやすい形でパッケージ化します。演奏映像を定点でカメラに収めることで、片手演奏特有の指や体の使い方などの演奏法を学ぶことができるよう配慮しています。

 2)において、元来、上級者あるいは職業演奏家のために書かれた左手演奏用楽曲の世界に、様々なレベルを設定することで、より多くの演奏者がチャレンジできレベルアップしていくことができる環境を作ります。さまざまなキャリアを有する作曲者に新たな楽曲の作曲や編曲を委嘱し、現在進行形の音楽芸術としての復興を目指すとともに、作曲家と演奏家のネットワークを作ります。

 このように日々、プロジェクトメンバー間で密な連携をとりつつ地道な活動を継続している一方で、昨今は活動を支援してくださる一般の皆様との接点として、イベントの開催にも注力しています。

 現在「左手のアーカイブ」が主催するイベントとしては、「左手のアーカイブコンサート」と「ワンハンドピアノフェスタ!」の2つがあります。

 「左手のアーカイブコンサート」は、第一線で活動するピアニストによるライブ演奏を通して、左手演奏の魅力を知っていただくコンサートイベントであり、「左手のアーカイブ」の活動報告等メッセージをお伝えしつつ、支援者の皆様との交流を図る場として機能しています。

 「ワンハンドピアノフェスタ!」は、2013年より始めた、公開レッスン、発表会、講義を含む、いわゆるワークショップ形式の交流イベントです。ここでは左手のみならず、片手演奏に親しむ者同士の交流と、演奏発表の場を提供します。

 この優れた音楽分野を世に広く知らせると同時に、潜在的に相当数にのぼるといわれる右手にハンディキャップをもつ演奏家に、音楽を続けるひとつの道を示したい。智内威雄のこのような強い願いから始まった「左手のアーカイブ」プロジェクトは、さらに幅広い層の人々へ向けて、そして次の世代へとバトンを手渡すことを視野に入れた活動を展開しています。

Biography

 

▼ <1976-2001 東京〜ドイツ>

▼ 1976年生まれ。
7歳より東京音楽大学付属教室、東京音楽大学付属高等学校ピアノ演奏科コース、東京音楽大学ピアノ演奏科コース
大学在籍中にミラノにて研鑽を積む。在学中に小林出氏、前島園子氏、アニータポッリーニ氏、アダマウリ氏に師事。現在東京音楽大学の講師とし後進の育成にも尽力している。

▼ 1999年 11月に渡独
▼ 2000年 ドイツ・ハノーファー音楽大学に入学。E.S.ネックレベルク ( Einar Steen-Nøkleberg ) 教授に師事し研鑽を積む。
▼ 2000年 グリーグ国際コンクール入賞、マルサラ国際コンクール3位入賞。
▼ 2001年 局所性ジストニアが右手に発症し、大学を休学し付属医療機関にてアルテンミュッラー教授(Univ. Prof. Dr. med. Eckart Altenmüller)の元で治療、ベルリンにてロランブレー氏(Laurent Boullet)の元でリハビリを開始。

▼ <2002-2009 ドイツ〜大阪>

▼ 2002年 E.S.ネックレベルク教授のすすめにより、スクリャービンの前奏曲と夜想曲、バッハ・ブラームスのシャコンヌ等、左手の音楽世界と出会う。
▼ 2003年 左手のピアニストとして音楽活動を再開。左手だけで質の高い演奏を得る為に、本格的に奏法の研究を開始する。
▼ 2004年 初の左手のみのソロコンサートをドイツにて行う。
▼ 2005年 同大学の卒業試験にて、左手のみで行った室内楽で満場一致の最優秀成績を収める。
▼ 2006年 3月に広島交響楽団とラヴェルの「左手のための協奏曲」を共演し、観衆をはじめ共演指揮者、楽団員から絶賛される。
▼ 2006年 11月に盛岡で行ったコンサートをきっかけに日本でのソロ活動を本格的に開始する。
▼ 2007年 7月に関西テレビ制作のドキュメンタリー番組「心に響く命の音・左手のピアニスト・智内威雄」が放送される。
▼ 2008年 地域に根ざしたクラシック音楽活動を提唱し、兵庫・大阪を中心として朗読コンサートなどのサロンコンサートを積極的に行う。
▼ 2009年 演奏活動とともに左手楽曲の演奏資料作成、楽譜作成、演奏方法等をまとめる”左手のアーカイブ構想”に着手する。

▼ <2010- 「左手のアーカイブ」プロジェクト>
▼ 2010年 左手のためのピアノ音楽の発掘と普及を目的とした任意団体「左手のアーカイブ」プロジェクトを発足させる。映像アーカイブ事業の成果をwww.lefthandpianomusic.orgにて公開スタート。
▼ 2011年 4月兵庫芸術文化センターにてF.シュミットのピアノ五重奏の日本初演を行う。同プロジェクトの制作により2タイトルCDを頒布開始
▼ 2011年 9月「左手のアーカイブ」プロジェクトの日本語サイトを立ち上げる http://lefthandpianomusic.jp
▼ 2012年 片手演奏用の初級・中級の楽譜、計4冊を左手のアーカイブにて監修する。「左手のアーカイブコンサート」を宝塚ベガホールにて行う
▼ 2013年 片手演奏の世界初のワークショップ「ワンハンド・ピアノフェスタ!」を実施する。
▼ 2013年 左手の音楽のクオリティーの高さを示すために、両手のピアニストでありながら左手の楽曲を積極的に取り上げるゼッキーニ氏をゲストとして招聘し「左手のアーカイブコンサート」を行う。
▼ 2013年 NHK放送制作のドキュメンタリー番組、ETV特集「左手のピアニスト~もうひとつのピアノ・レッスン~」が放送される。
▼ 2014年 片手演奏の普及を促進するために、片手の演奏教育プロジェクト「ワンハンド・ピアノレッスン」を立ち上げる
▼ 2016年 国際的に片手演奏の魅力を発信するために、芸術振興事業の『「左手のアーカイブ」プロジェクト』、教育福祉事業の『ワンハンドピアノレッスン』の両部門を柱とし、『(一社)ワンハンドピアノミュージック』を立ち上げ、代表理事に就任する。著書『ピアノ、その左手の響き:歴史をつなぐピアニストの挑戦』が太郎次郎社により出版される。「第5回 神戸アート・アワード」大賞受賞。
▼ 2017年 これまでの左手のピアノ音楽の普及活動が認められ「第4回 Jasrac音楽文化賞受賞」を受賞。

▼ 2018年 世界初となる左手のピアノ国際コンクール「ウィトゲンシュタイン記念 左手のピアノ国際コンクール」のアマチュア部門とプロフェッショナル部門を大阪府箕面市で開催し、左手のピアノ音楽の社会化を進める。12月に、左手のピアノ国際コンクールに関連したドキュメンタリー番組『目撃!にっぽん「左手がつむぐ希望のメロディー」』がNHK松山により制作・放送される。
7月からNHKのラジオ講座『芸術その魅力 左手のピアノの世界~独自の芸術分野として』全13回を担当する。

▼ 2019年 1月に左手のピアノ国際コンクールのドキュメンタリー番組「私は左手のピアニスト~希望の響き 世界初のコンクール~」がNHK-BS1スペシャルにて放送される。その他にもNHKラジオ第1、NHK大阪、NHK松山、MBSがニュースで特集を放送する。

▼ 2020年 月刊誌『ムジカノーヴァ』2019年12月号~2021年4月号の連載「なんでピアノを弾くと疲れるの?左手のピアニストが見る正しい奏法」を担当する。NHK放送制作のインタビューに番組『「天上の響きに―左手のピアニスト・智内威雄」 – こころの時代』が放送される。

▼ 2021年 12月に第2回 ウィトゲンシュタイン記念 左手のピアノ国際コンクールを開催。同コンクールにて世界初になる作曲部門を主催する。

▼ 2022年 1月より神戸新聞「随想」をエッセーを連載する。音楽之友社より『左手のピアノ国際コンクール作曲部門 記念作品集』が発売される。ピアノ演奏法に関する書籍『スマート奏法 習得術』が音楽之友社にて出版される。8月にKBS京都制作のインタビュー番組『比叡の光 第2784回 左手のピアニスト』が放送される。