静岡・江崎ホール無事に終えました


2024年12月2日

昨日開催されました左手のピアノ国際コンクールの東京大会。プロ部門予選会、アマチュア部門本選会ともに、本当に素晴らしい演奏の数々を聴かせていただきました。
それぞれの演奏者が、ご自身の音楽と真摯に向き合っていらっしゃる姿が印象的でした。一つ一つに込められた想いや、音楽を通して表現される世界観に心を動かされます。
演奏を終えられた方々からは、「ピアノの響きが素晴らしく、演奏に集中することができた」というお声を多くいただきました。豊かな低音と伸びやかな高音は、演奏者の表現をさらに広げ、聴く者を魅了する力強い演奏を生み出していたように思います。
これは、ヤマハアーティストサービスの皆さまにご尽力いただき、素晴らしいピアノをご用意いただいたおかげです。この場をお借りして、深く感謝申し上げます。
さて、来週12/8には大阪大会が開催されます。プロフェッショナル、セミプロフェッショナル部門の予選会が行われます。次はどんな音楽との出会いがあるのか、今から楽しみでなりません。会場でお待ちしています。
なお、審査結果については、下記の公式サイトに発表されております。皆さまへの講評は事務局を通して送られます。
http://lefthandpianocompetition.com/frontpage/post-1315/


2024年11月24日

福間洸太朗プロデュース配信コンサート「左手のピアノ音楽~今を生きる作曲家~」
Rare Piano Music Vol.34 – Takeo Tchinai

日時:2024年11月24日(日)
場所:Youtube上(11/24の22:00 – 11/25の22:00まで無償公開、それ以降は10分の抜粋動画のみ公開)
URL:https://www.youtube.com/watch?v=E3TxZa6iJRQ
※アーカイブ動画つきチケットは、2024年12月1日(日)21時までご購入が可能となっています(ご購入の方には、12月2日ダウンロード用のリンクをお送りします。)

※配信動画が気に入りましたら、ぜひ以下よりダウンロードや投げ銭、CD応募など、よろしくおねがいいたします。https://rpm-34tchinai.peatix.com/

●プログラム:

・川上統作曲
 「ソナチネ」
 「組曲みちびき地蔵~気仙沼大島みちびき地蔵より~」
    1.波の巻 
    2.お堂の出来事の巻 
    3.津波の巻 
    4.みちびき地蔵

・近藤浩平作曲
 「声明とコラールの記憶」
 「海辺の雪」

・飛田泰三作曲
 「メモリー1」(世界初演)

・岩下周二作曲
 「左手のための24の前奏曲」より


2024年11月17日

今日は、島根県浜田市を訪れました。神楽発祥の地として知られるこの地で、文化の息吹を肌で感じる素晴らしい時間を過ごしました。

早朝ジョギングでは、漁港の壮大な景色を楽しみ、地元の方々にお話を伺ったりと、心身ともにリフレッシュします。

観光パンフレットを読んでみると面白い。1935年に石見神楽の台本とも言える石見神楽合本が編纂され、後世に残すための準備が整えられたという。

しかし、もっと驚いたのは、この時期に地元小学校では未来を担う子供たちのために、スタインウェイのピアノを購入していたという。1933年のこと。

家一軒が500円で買えた時代に、2405円という高額なピアノを購入できたのは、初代市長の山崎義一氏をはじめとする先人たちの、文化の力で未来を切り拓こうという強い意志があった。

「原井の宝」と称されるこのピアノは、1920年代の黄金期のスタインウェイのオリジナルの共鳴版から響く、太くのびやかな音色と、甘い音色に、聴衆のみならず奏者をも魅了します。銘器との対話は楽しい。

今回、私はこのピアノでコンサートをさせていただく機会に恵まれました。演奏を通して、地域の歴史と文化が溶け合うような、不思議な感動を覚えます。

劇場の子ども達と行なった朗読コーナー『谷川俊太郎「生きる」』では、子ども達が語る平和の詩と、ピアノの音色が美しく調和し、深く心に残る場面となりました。

1930年代という分岐点に、文化を通して未来を語った大人達の想いに触れた気がいたします。同時に文化を継承することの大切さを実感します。

この機会を与えてくださった浜田おやこ劇場の皆様、そして会場となった原井小学校の先生方、このような素晴らしい機会をいただき、誠にありがとうございました。


2024年11月12日

「#左手のアーカイブ」プロジェクトの収録が、無事終了いたしました!今回も、団体創立メンバーの #藤井光 さん(映像)、#君島結 さん(音声)と共に行いました。

1日目は、左手のピアニストの有馬圭亮さんと早坂眞子さんをお迎えし、第2回左手のピアノ国際コンクール作曲部門の応募作品の収録を行いました。お二人の演奏は、高度な技術と豊かな音楽性に彩られる素晴らしいものでした。

2日目は、私自身の演奏収録を行いました。勉強を重ねるごとにレパートリーも増え、今回私の収録トラック数は49曲に達しました。楽譜を何度も読み込むことで、作曲家たちの創意工夫や音楽への情熱に触れ、そして左手のピアノ曲の可能性に改めて感銘を受けました。

そして優れたフルコンサートピアノのおかげで、万全な体制で望むことが出来ました。この場をお借りして、収録にご協力いただきましたヤマハアーティストサービス東京の皆様に御礼申し上げます。

このプロジェクトは、楽曲を後世に伝え、演奏技術を未来へ繋ぎ、作曲家たちに新たな可能性を提供することを目的としています。
Vimeo、Youtube、そして「左手のアーカイブ」プロジェクトのサイトから、ご覧いただけるように準備を進めております。

今後とも、応援のほど、よろしくお願い申し上げます。



2024年11月3日

昨日今日と、富士吉田市にあります 銘楽堂 にて演奏をさせていただきました。
雄大な富士山を望む庭園、紅葉に華やぐ景色。ホールへと向かうアプローチを歩くたびに、心が洗われていくようでした。
銘楽堂のホールは、日本の伝統的な木材と西洋のデコラティブなアクセントが調和した、印象的な空間です。
特に、特別仕様のベヒシュタインの存在感は格別で、ヨーロッパのピアノならではのクリアな発音と、ふくよかな響きが両立した、素晴らしい楽器でした。
このような素敵な空間で演奏させていただけたこと、心から光栄に思います。
企画をしてくださった ピアニストの福間洸太朗 さん、銘楽堂の望月恭子様、ジョイフルアーツの深谷玲奈様、そして会場にお越しくださった皆様に、心より御礼申し上げます。
今回は現代曲を中心としたプログラムでしたが、「とても良い選曲だった」など、嬉しいお言葉をたくさん頂戴し、大変嬉しかったです。
またいつか皆様にお目にかかり、新たな音を分かち合える日を楽しみにしております。


2024年10月30日

今夜22:00からは、ピアニストの #福間洸太朗 さんとのYoutube対談があります。 #RarePianoMusic (配信コンサート)のプレトークになります。作曲家の #近藤浩平 さん、#川上統 さんもご一緒で、今からとても楽しみです!

福間洸太朗さんは、ご存知の通り人気・実力ともに日本を代表するピアニスト。ピアノ音楽の多様なあり方を追求される姿が、本当に素晴らしいです。横浜みなとみらいホールでの現代作曲家シリーズも、個人的には注目しています。

今回は、そんな福間さんの主催する配信コンサートに出演させていただくことになり、そのプレトークにお招きいただきました。真面目な話はもちろんですが、楽しいトークになりそうでワクワクしますね。ぜひ、皆さんもご覧ください。
https://www.youtube.com/live/MKkivrR33UI?si=XhDh6KSSu4jvswlY


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2024年10月27日

東京音楽大学の #学生たち と #コンサート企画運営 を行う授業ACT Project ホールチームの、今季最大のイベントが、先日 #無事終了 いたしました。
学生たちの瑞々しい感性を活かした楽器紹介を行う「#推し楽器」シリーズのファイナルとして、満を持しての #オーケストラ演奏会 でした。
演奏や指揮の素晴らしさはもちろんのこと、企画運営を行う学生たちのひたむきな姿勢と音楽に対する真摯な情熱に、心から感動いたしました。
会場では「推し楽器」投票など、聴衆の皆様にもお楽しみいただける企画をご用意し、本物のドラムロールに合わせて結果発表を行うなど、驚きと笑顔に満ちた時間となりました。
この公演は、学生たちにとって単に演奏技術を披露する場ではなく、企画から運営まで主体的に取り組むことで、貴重な学びと成長を得る場となりました。
これからの音楽家は、専門的に楽器演奏等を学ぶだけでなく、社会にクラシック音楽の魅力を発信していく必要があります。そのためには、演奏等の技術と同じくらい、あるいはそれ以上に、プロデュースする力、企画する力が求められます。
学生たちが力をつけて社会に飛び立っていく姿を見ることは、地域に音楽の喜びが広がっていくようで、大きな喜びを感じます。
この素晴らしい機会を与えてくださった #杉田劇場 の中村様、堀様をはじめとするスタッフの皆様に、心より感謝申し上げます。
これからも学生たちとの企画は続きます。11月には大学内での公演、そして和光市サンアゼリアでのロビーコンサート、大ホールではチェロコンサートと、彼女たちが地域にお届けする音楽の感動を、ぜひご期待ください。

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2024年10月25日

作曲家 岩下周二 さんの個展で演奏させていただきます。彼が生まれ育った地元の熊本での開催ということで、以前から参加できるのを楽しみにしていました。
演奏するのは、24の前奏曲。30分近くかかる楽曲ですが、どれも本当に素晴らしい曲ばかりなので お楽しみいただけると思います
これからも色々な場所で演奏していきたいと思っていますので、お近くで演奏会を開催する際にも、ぜひ足をお運びください。

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2024年10月20日

昨日は、静岡にある江崎ホールという素敵なサロン空間で、皆さまと音楽を共有することができ、大変嬉しく思っております。スタインウェイBの深く豊かな響きが、ホール全体に広がり、演奏者としても至福のひとときでした。

今回は、少し複雑で難解な曲にも挑戦させていただきました。クラシック音楽の奥深さ、多面的な魅力を、少しでも感じていただけていたら幸いです。

演奏会後には、皆さまと温かい交流の時間を過ごすことができ、心より感謝申し上げます。
静岡おやこ劇場の皆さま、そして運営スタッフの皆さまに、心より感謝申し上げます。また皆さまにお会いできる日を、心待ちにしております。
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2024年10月15日

「第7回 ワンハンドピアノフェスタ in 大阪」にご参加いただき、誠にありがとうございました。おかげさまで、フェスタは無事に、そして熱気あふれる中、幕を閉じることができました。

皆さまの演奏から伝わってくる情熱と、音楽に対する真摯な姿勢に深く感動いたしました。
それぞれの楽曲へのこだわりが、音の一つ一つに込められており、まるで新たな音楽の道を切り開くような、力強い演奏ばかりでした。
会場に響き渡る音は、皆さまの心に深く刻まれ、忘れられない思い出となったことと思います。

また、交流会では、人生と音楽が織りなす、深くて温かいお話をお伺いすることができ、大変貴重な時間を過ごさせていただきました。
音楽を通しての繋がり、心が通い合う喜びを改めて実感いたしました。

今年のフェスタは終わりましたが、これは新たな始まりの一歩でもあります。
晩秋の箕面「左手のピアノ国際コンクール」にはじまり、今後も皆さまの音楽交流の場を創造してまいります。どうぞご期待ください。
今後とも、変わらぬご支援、ご指導を賜りますようお願い申し上げます。

#ワンハンドピアノフェスタ #ワンハンドピアノ #左手のピアノ #右手のピアノ #音楽イベント #ピアノコミュニティ #音楽の力 #感動 #感謝 #大阪


2024年10月13日

四條畷でのコンサートが無事に終了いたしました。
今回は、子どもたちとの朗読コラボレーションという新たな試みに挑戦いたしました。谷川俊太郎さんの「生きる」を題材に、子どもたちの朗読と音楽が融合する豊かな時間となりました。
コンサートに先立ち、子どもたちは朗読ワークショップを受講しており、その成果は目覚ましく、本番では、彼らのストレートで伸びやかな声がホールに響き渡りました。私は、詩の持つ余白を、音でどのように演出できるか、という点を意識して選曲から演奏まで、細部に気を配りました。 (さらに…)


2024年10月10日

福間洸太朗さんプロデュースのコンサートご予約開始
銘楽堂サロンコンサート
11月 4日 (月曜日)⋅14:00~15:00
14:00開演
お申し込みはこちらから
〒403-0005 山梨県富士吉田市上吉田4341
「第11回サロンコンサート in 銘楽堂」
銘楽堂はこちら
https://meigakudo.com/

いよいよ本日より、福間洸太朗さんプロデュースの「第11回サロンコンサート in 銘楽堂」(演奏・智内威雄)がご予約受付開始(無料※予約必須)となります!
今回は、近年特に力を入れている現代の日本人作曲家による作品を、多く演奏させていただきます。
現代音楽というと、難解なイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、私自身学ぶ中で、現代を生きる私たちだからこそ共感できる、繊細な感情や力強い生命力に満ち溢れていると感じるようになりました。
今回のコンサートでは、そんな現代の日本人作家の魅力を、皆さまと分かち合えたらと思っております。
演奏を通して、作曲家の思いや背景なども少しお話しさせていただく予定です。
どうぞ肩肘張らずに、音楽が奏でる豊かな時間をご一緒しましょう。
皆さまにお会いできるのを心より楽しみにしております。 (さらに…)


2024年10月6日

日ごとに秋深まる季節に、歴史ある街、大阪府四條畷で、音楽と朗読による心落ち着く時間を過ごしませんか?毎年恒例の四條畷ジョイントコンサートが、今年も開催されます。
左手のピアノ国際コンクールで受賞され、その後も多彩な才能を発揮されているピアニストの #久本久子 さんが中心となり、新たな試みとして「#朗読と音楽」に挑戦いたします。
谷川俊太郎さんの「生きる」を朗読のテーマに、久本さんが中心となり指導にあたり、子どもたちが一生懸命練習を重ねた朗読と、私が演奏する左手のピアノの美しい音色が織りなすステージとなります。
(さらに…)


2024年10月3日

いよいよ、寄付金の募集も始まりましたね。

参加者の方々が交流する顔を思い描くと嬉しくなります。このコンクールでの交流の広がり、未来への扉を開く鍵となるように。共に成長できる温かい場となるように。

皆さまの温かいご支援が、彼らの夢を育む力となります。どうぞよろしくお願いいたします。


✨左手のピアノ国際コンクール、未来への希望を奏でる若き才能に、ご支援を✨

回を重ねるごとに、さらなる感動を生み出すピアニストたちの挑戦の舞台、左手のピアノ国際コンクール。
彼らの情熱を、さらに輝かせたい。そんな想いから、皆さまに寄付金のご支援をお願いいたします。

ご支援は、入賞者への褒賞金、会場での特別な賞の設置、そして未来を担うピアニストの育成に役立てられます。
音楽の力で世界を感動で満たす、若きピアニストたちを、共に応援しませんか?

ご支援いただいた方には、感謝を込めて、コンクールプログラムへのご芳名掲載やご招待券などをご用意しております。
詳しくは、以下のご寄付のページをご確認ください。
●寄付金お申込みフォーム
https://forms.gle/HsRYmj1QY8ntwwbM7


2024年10月3日

本日、日本テレビ「news every.」の特集で、左手のピアニスト・早坂眞子さんの活動を中心として、「ワンハンド・ピアノフェスタ!」の様子が、放送されました。

かつては限られた人だけが演奏活動をした左手のピアノの世界。しかし、近年では「#左手のアーカイブ」プロジェクトや「#ワンハンドピアノフェスタ!」、「#左手のピアノ国際コンクール」などを通して、誰もが挑戦できる分野へと育ちつつあります。

早坂さんは、その新たな潮流の中で、真摯に左手のピアノ演奏活動、普及活動に取り組む若きピアニストです。
未来につながる左手のピアニストを取り上げた番組、清々しい感動を感じていただけたのではないでしょうか。
Youtubeチャネルにて配信もあるかもしれません。ぜひご覧ください。

放送日時:10月3日(木)夕方
※臨時ニュースなどにより、変更になる場合があります。
■番組HPはこちら
https://www.ntv.co.jp/every/index.html
■日本テレビnews every.公式YouTubeチャンネルはこちら
https://www.youtube.com/@ntv_news/videos
(さらに…)


 

左手のピアニスト 智内威雄


活動方針・略歴

“苦難の歴史を乗り越えた芸術を、
開かれた未来のために”


 私にとって左手のピアノ楽曲は、まず新たな分野と出会った驚きであり、そして再びピアノを弾ける喜び、音楽を続けられる喜びでした。私は、音楽が持つ普遍的な芸術の力、その可能性を強く信じさせられました。

 その音楽芸術の力により、障害をもつ個人は勇気を得ることができると気づきました。このような個々の営みの蓄積が、いつか垣根のない社会の実現につながるのではないでしょうか。

 この私の願いは、歴史的な楽曲の再発見を通して養われました。数世紀にわたって書かれてきた左手のためのピアノ楽曲は、戦争などの厳しい状況下でも音楽を心の支えに生きたピアニスト達の歴史が刻まれており、そして優れた楽曲が数多く存在しています。しかしそれらの深い表現力を呼び起こす楽曲の多くは、再演される事無く、散逸した状況が続いていました。

 私は、歴史を再発見し、優れた価値が再び埋もれないようにするための努力が必要であると考えました。そして現代においては、片手のための音楽の価値を高め、人々と分かち合えるようにするための教育と普及の必要性をも感じました。

 そのために「左手のアーカイブ」プロジェクトと「ワンハンドピアノレッスン」というふたつの環境づくりの活動に取り組んでいます。

 皆様のご支援を心よりお願い申し上げます。


左手のピアニスト・智内威雄(ちないたけお)

公式Facebook https://www.facebook.com/pianisttchinai

  

音楽活動について

Mission

 片手によるピアノ演奏を通して、音楽の喜びを次世代に伝えます。

Vision

 未来のピアニストの礎となる演奏を発信します。そして音楽の喜びを分かち合える発展的な環境を作ります。

Value

 忘れ去られてしまった音楽分野の再発見と復興が行われます。その独創的な表現により、多くの者に器楽を演奏する新たな喜びを与えられます。それらを普及させる環境作りを行うことで、より多くの者が垣根の無い音楽・楽器演奏の魅力を体験できます。

 

「左手のアーカイブ」プロジェクト(LHPM)

 
 「左手のアーカイブ」プロジェクトは、2010年、現在も左手のみによる演奏活動を続ける「左手のピアニスト」智内威雄が中心となり発足しました。
 その目的は、左手のためのピアノ作品という忘れ去られてしまった貴重な音楽作品の発掘・復興と、左手を主とする片手演奏の認知向上と普及振興にあります。
 以下の2点を主要な活動として位置づけています。

1)埋もれてしまった歴史的名曲の録音・映像の作品化
2)中級・上級者のための新曲・編曲など、委嘱作品を含む楽曲楽譜の作成


 1)において、演奏されなくなってしまった左手の楽曲を、智内威雄の演奏を中心として収録し、一般に入手しやすい形でパッケージ化します。演奏映像を定点でカメラに収めることで、片手演奏特有の指や体の使い方などの演奏法を学ぶことができるよう配慮しています。

 2)において、元来、上級者あるいは職業演奏家のために書かれた左手演奏用楽曲の世界に、様々なレベルを設定することで、より多くの演奏者がチャレンジできレベルアップしていくことができる環境を作ります。さまざまなキャリアを有する作曲者に新たな楽曲の作曲や編曲を委嘱し、現在進行形の音楽芸術としての復興を目指すとともに、作曲家と演奏家のネットワークを作ります。

 このように日々、プロジェクトメンバー間で密な連携をとりつつ地道な活動を継続している一方で、昨今は活動を支援してくださる一般の皆様との接点として、イベントの開催にも注力しています。

 現在「左手のアーカイブ」が主催するイベントとしては、「左手のアーカイブコンサート」と「ワンハンドピアノフェスタ!」の2つがあります。

 「左手のアーカイブコンサート」は、第一線で活動するピアニストによるライブ演奏を通して、左手演奏の魅力を知っていただくコンサートイベントであり、「左手のアーカイブ」の活動報告等メッセージをお伝えしつつ、支援者の皆様との交流を図る場として機能しています。

 「ワンハンドピアノフェスタ!」は、2013年より始めた、公開レッスン、発表会、講義を含む、いわゆるワークショップ形式の交流イベントです。ここでは左手のみならず、片手演奏に親しむ者同士の交流と、演奏発表の場を提供します。

 この優れた音楽分野を世に広く知らせると同時に、潜在的に相当数にのぼるといわれる右手にハンディキャップをもつ演奏家に、音楽を続けるひとつの道を示したい。智内威雄のこのような強い願いから始まった「左手のアーカイブ」プロジェクトは、さらに幅広い層の人々へ向けて、そして次の世代へとバトンを手渡すことを視野に入れた活動を展開しています。

Biography

 

▼ <1976-2001 東京〜ドイツ>

▼ 1976年生まれ。
7歳より東京音楽大学付属教室、東京音楽大学付属高等学校ピアノ演奏科コース、東京音楽大学ピアノ演奏科コース
大学在籍中にミラノにて研鑽を積む。在学中に小林出氏、前島園子氏、アニータポッリーニ氏、アダマウリ氏に師事。現在東京音楽大学の講師とし後進の育成にも尽力している。

▼ 1999年 11月に渡独
▼ 2000年 ドイツ・ハノーファー音楽大学に入学。E.S.ネックレベルク ( Einar Steen-Nøkleberg ) 教授に師事し研鑽を積む。
▼ 2000年 グリーグ国際コンクール入賞、マルサラ国際コンクール3位入賞。
▼ 2001年 局所性ジストニアが右手に発症し、大学を休学し付属医療機関にてアルテンミュッラー教授(Univ. Prof. Dr. med. Eckart Altenmüller)の元で治療、ベルリンにてロランブレー氏(Laurent Boullet)の元でリハビリを開始。

▼ <2002-2009 ドイツ〜大阪>

▼ 2002年 E.S.ネックレベルク教授のすすめにより、スクリャービンの前奏曲と夜想曲、バッハ・ブラームスのシャコンヌ等、左手の音楽世界と出会う。
▼ 2003年 左手のピアニストとして音楽活動を再開。左手だけで質の高い演奏を得る為に、本格的に奏法の研究を開始する。
▼ 2004年 初の左手のみのソロコンサートをドイツにて行う。
▼ 2005年 同大学の卒業試験にて、左手のみで行った室内楽で満場一致の最優秀成績を収める。
▼ 2006年 3月に広島交響楽団とラヴェルの「左手のための協奏曲」を共演し、観衆をはじめ共演指揮者、楽団員から絶賛される。
▼ 2006年 11月に盛岡で行ったコンサートをきっかけに日本でのソロ活動を本格的に開始する。
▼ 2007年 7月に関西テレビ制作のドキュメンタリー番組「心に響く命の音・左手のピアニスト・智内威雄」が放送される。
▼ 2008年 地域に根ざしたクラシック音楽活動を提唱し、兵庫・大阪を中心として朗読コンサートなどのサロンコンサートを積極的に行う。
▼ 2009年 演奏活動とともに左手楽曲の演奏資料作成、楽譜作成、演奏方法等をまとめる”左手のアーカイブ構想”に着手する。

▼ <2010- 「左手のアーカイブ」プロジェクト>
▼ 2010年 左手のためのピアノ音楽の発掘と普及を目的とした任意団体「左手のアーカイブ」プロジェクトを発足させる。映像アーカイブ事業の成果をwww.lefthandpianomusic.orgにて公開スタート。
▼ 2011年 4月兵庫芸術文化センターにてF.シュミットのピアノ五重奏の日本初演を行う。同プロジェクトの制作により2タイトルCDを頒布開始
▼ 2011年 9月「左手のアーカイブ」プロジェクトの日本語サイトを立ち上げる http://lefthandpianomusic.jp
▼ 2012年 片手演奏用の初級・中級の楽譜、計4冊を左手のアーカイブにて監修する。「左手のアーカイブコンサート」を宝塚ベガホールにて行う
▼ 2013年 片手演奏の世界初のワークショップ「ワンハンド・ピアノフェスタ!」を実施する。
▼ 2013年 左手の音楽のクオリティーの高さを示すために、両手のピアニストでありながら左手の楽曲を積極的に取り上げるゼッキーニ氏をゲストとして招聘し「左手のアーカイブコンサート」を行う。
▼ 2013年 NHK放送制作のドキュメンタリー番組、ETV特集「左手のピアニスト~もうひとつのピアノ・レッスン~」が放送される。
▼ 2014年 片手演奏の普及を促進するために、片手の演奏教育プロジェクト「ワンハンド・ピアノレッスン」を立ち上げる
▼ 2016年 国際的に片手演奏の魅力を発信するために、芸術振興事業の『「左手のアーカイブ」プロジェクト』、教育福祉事業の『ワンハンドピアノレッスン』の両部門を柱とし、『(一社)ワンハンドピアノミュージック』を立ち上げ、代表理事に就任する。著書『ピアノ、その左手の響き:歴史をつなぐピアニストの挑戦』が太郎次郎社により出版される。「第5回 神戸アート・アワード」大賞受賞。
▼ 2017年 これまでの左手のピアノ音楽の普及活動が認められ「第4回 Jasrac音楽文化賞受賞」を受賞。

▼ 2018年 世界初となる左手のピアノ国際コンクール「ウィトゲンシュタイン記念 左手のピアノ国際コンクール」のアマチュア部門とプロフェッショナル部門を大阪府箕面市で開催し、左手のピアノ音楽の社会化を進める。12月に、左手のピアノ国際コンクールに関連したドキュメンタリー番組『目撃!にっぽん「左手がつむぐ希望のメロディー」』がNHK松山により制作・放送される。
7月からNHKのラジオ講座『芸術その魅力 左手のピアノの世界~独自の芸術分野として』全13回を担当する。

▼ 2019年 1月に左手のピアノ国際コンクールのドキュメンタリー番組「私は左手のピアニスト~希望の響き 世界初のコンクール~」がNHK-BS1スペシャルにて放送される。その他にもNHKラジオ第1、NHK大阪、NHK松山、MBSがニュースで特集を放送する。

▼ 2020年 月刊誌『ムジカノーヴァ』2019年12月号~2021年4月号の連載「なんでピアノを弾くと疲れるの?左手のピアニストが見る正しい奏法」を担当する。NHK放送制作のインタビューに番組『「天上の響きに―左手のピアニスト・智内威雄」 – こころの時代』が放送される。

▼ 2021年 12月に第2回 ウィトゲンシュタイン記念 左手のピアノ国際コンクールを開催。同コンクールにて世界初になる作曲部門を主催する。

▼ 2022年 1月より神戸新聞「随想」をエッセーを連載する。音楽之友社より『左手のピアノ国際コンクール作曲部門 記念作品集』が発売される。ピアノ演奏法に関する書籍『スマート奏法 習得術』が音楽之友社にて出版される。8月にKBS京都制作のインタビュー番組『比叡の光 第2784回 左手のピアニスト』が放送される。